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東京造形大学特別講義 [講師出講]

7月11日、『絵に現れる子どもの深層心理―よろこび・さみしさ・よるべなさ』と題して特別講義を行いました。37年に及ぶ私の絵画教室時代の中で、もっとも教室運営に困難を極めた頃の子どもたちの絵が、今では珠玉の作品群となっていることに不思議を感じながら、学生さんたちに紹介しました。荒れる子どもたちの心の安定のために、教室にあった多くの約束事を捨てて解放したシステムの中から生まれた、楽しくも不可解な作品が持つ意味を伝え、語りました。

思い返せば、子どもが荒れた時代、彼らに抵抗と意志が感じられました。今は子どもたちの表現力が脆弱になり、自由な場を提供しても、表現そのものが無表現であったり画一的になったりして、意味のある自由作品は生まれにくいのです。

だから今、私たちが子どもに提供する表現活動は全く別な方向に向かっています。もちろん、子どもの内面が無感動になったり、変容したのではないのでしょう。現代の子どもたちは、1980~90年代の子どもが持っていた(おそらく自然に身につけていた)、ある種の生活力や自己表現力が身についていないように思えます。そこを越えて表現へと向かう力を見いだしていこうとすること―そこに、私たちの活動が未来に向かって進む意味もあると考えています。

次回の講義は、また様相が変わったもになるのではないかと思います。

理事長 小村チエ子

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