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東西裸体事情―レクチャー&ワークショップ [講師出講]

昨日(2/22)、シニアCITYカレッジ(NPO法人シニア自然大学校主催)の美術講座に出講し、裸体表現をコアに西洋絵画と日本近代絵画を取り上げ、レクチャーとワークショップを行いました。毎度ながら受講者の皆さんは本当に熱心。子どもと若者は社会の宝だと思ってきましたが、元気なシニアも社会の宝だと、最近心から思うようになりました。今回は人数も約70名と多く、一層活気に満ちた4時間となり、私も大いに楽しませていただきました。

芸術としてのヌードを考える時、東西の身体観の違いが大きなポイントになります。なぜ西洋では人体表現とりわけヌードが発達し、日本(東洋)では発達しなかったのか。芸術と不道徳(猥褻)の境界、身体や裸体をめぐる東西の意識の違い、そして芸術としてのヌードという概念に出会った近代日本人の困惑と画家たちの奮闘努力。こうしたことに着目しながら、古今東西の裸体表現を見ていきました。

Tiziano_Venere-Urubino.jpgManet_Olympia_1863.jpg黒田清輝_智-感-情_1899.jpg小出楢重_支那寝台の裸婦(Aの裸女)_1930.gif

後半のワークショップでは、オリジナル展覧会企画ということで、裸体表現を中心に選んだ30枚ほどのカードを使って、グループごとに好きなように分類・テーマ設定し、バーチャル展覧会を企画してもらいました。遊び感覚でワイワイ言いながら、各班各様の仮想ミュージアムができあがり、最後は互いに鑑賞しあい、コメントを言い合いました。

2012022214190000s.jpg2012022214300001s.jpg2012022214480000s.jpg2012022214540000.jpg

美術館で名作を前にした時は、ついかしこまってしまうものですが、ここでは自由に、遊び感覚で、巨匠の名作にツッコミを入れたりしながら楽しむことができます。皆さんが本当に楽しそうに、ああだ、こうだ、いや、ああでもない、こうでもない、と、活発に手と口を動かしながらカードを並べ替えたり、タイトルを考えている様子を見ていると、私も本当に楽しくなります。

アートで遊ぶこうした企画を定番化したいと考えています。自由に、率直に、フラットな感覚でアートに向き合い、親しんでいく、そんな機会を提供できればと思います。

小村みち
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