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ありえない世界!?マグリットと絵画の冒険 [子どもべやアート教室]

ルネ・マグリット(1898-1967)をご存知の方は多いでしょう。「大家族」「白紙委任状」などで有名なベルギーの画家で、20世紀のもっとも重要な芸術運動に数えられる、シュルレアリスムを代表する一人です。今日の「子どもべや」では、そのマグリットを子どもたちに紹介しました。

彼の作品には、デペイズマンという技法が多く使われており、その意表をつく組み合せが見る人を驚かせます。個々のモチーフはごくありふれたものなのに、その取り合わせが突飛だったり、大小関係が普通でなかったりで、結果「ありえない世界」が出現するのです。

果たして、子どもたちの反響は絶大。「ありえへん!」「気持ちわる~」「この人ゼッタイ変人や」「でも、ありそう」などと、口々に言い合っていました。シュルレアリスムの表現世界を理解するには至らずとも、その後の作品制作では、それぞれに「どこかヘンな世界」を表現しようと工夫を凝らしていたようです。

P1030410s.JPG写真は、理事長による参考作品。子どもの頃、夢に出てきた、男性用トイレ、骨、血のかたまり…という取り合わせ。とても怖かったそうで(そりゃそうでしょう)、半世紀以上経った今でもハッキリと覚えているそうです。

絵画の世界は自由ですが、たいていは暗黙のうちに「マトモな世界」を描くよう方向づけられているもの。そんな子どもたちに、いつもと少し視点をずらし、身の回りにあるものからイメージを膨らませて異世界の扉を開き、冒険する精神と感性を持ち合わせてほしいものです。

ところで、不可思議な視覚表現とは裏腹に、マグリット自身はいたって真面目な市民的生活を送った人物で、その外見も生活ぶりも、芸術家につきもののエキセントリックさとは全く無縁でした。それが素だったのか、いくぶん演技もあったのか、真相/深層は本人のみぞ知るところですが、作者と作品のイメージのギャップもまた、彼ならではのデペイズマンだったのかもしれません。

記:小村みち
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