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私の煩悶 [子どもべやアート教室]

 個人のこころからだを通して表現活動を活発にし、自尊感情を高めることをテーマとして私たちは活動している。しかし同時に、造形活動の基礎となる表現力をつけるために、タッチや線の描き方・色彩のぬり方などの技術指導もする。その時、一部の子どもから「何も言われたくない、もっと自由で気楽にさせて、上手にぬりたいと思っていない」と強い反発を受ける。

 一見わがままに見えるこれらの子どもの声の真意は何か?教室で子どもの生の声を聞き、またもや煩悶する羽目になった。そこに今の子どものどのような精神作用があるのだろうか。

美意識が作品に影響する、絵・造形の分野で、指導者が技法の伝達をどこまで重んじるかは難しい課題だ。特に、兄弟姉妹や友達などからみようみまねで学んだ絵かきのスキルが少なく、らくがき体験すらなかった子どもが多くなり、表現力は日に日に稚拙になる現代の子どもに対して、表現というものをどう考え、指導の境界線をどこに引くかは難しい。
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 表現とはなにか?絵をかくことは本当に必要か?表現に技術が要るのか?子どもに指導が必要か?何が指導か?子どもの意見の自主性とわがままの境界は?わがままとはなにか?延々と自問することになるのだ。子どもの苦情から逃げないで対話をするために、大人も苦悶する。

 大人と子どもが話し合う場をつくり、子どもが何を求めているのか、何をなしたがっているのかくみ取り、大人も彼らに対話を返しつつ時間を紡ぎ、結果を出すしかない。
今日も子どもの作品を見ながら…私たちはいずこへ…と考える。
理事長 小村チエ子

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