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裸体画でたどる西洋美術―シニアCITYカレッジ講座 [講師出講]

本日、NPO法人シニア自然大学校主催のシニアCITYカレッジにて西洋美術についてのレクチャーをしました。同NPOが大阪教育大学との協働により開講している連続講座で、環境問題や時事問題から歴史・文化・芸術まで幅広い領域をカバーしています。昨年に続いて3回目の出講でしたが、50数名の受講者は皆さんひじょうに熱心で、近年の中高年層の知的好奇心、学習意欲の高さを実感します。活発な受講者を前にすると、レクチャー2時間+ディスカッション2 時間=合計4時間という長丁場もまったく疲れを感じません。

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今回のテーマは、裸体画(nude)。裸体表現は西洋美術の基本であり、西洋美術に影響を受けた今日の美術において、裸体デッサンは画家の基本的トレーニングです。しかし、、、ごくごく素直な目で西洋美術の一群を眺めたとき、その裸体表現の多さには素朴な「?」がわいてくるのでは?西洋美術を見慣れた現代人でも、マネの<草上の昼食>を生まれて初めて見るときの衝撃は、本作発表当時(1863年)の人々とそんなに変わらないのではないでしょうか。(私が子どものころ、初めて画集でこの絵を見たときは、一体なんちゅー絵!!?と正直ビックリしたものです。)ドラクロワの<民衆を率いる自由の女神>が、あの緊迫した事態の中で一人胸をはだけているのも、考えてみればフシギですよね。実際、西洋美術に初めて本格的に取り組んだ近代日本の画家にとって、裸体表現をどのように自分たちのものにするかは、芸術上の大きな課題でした。

現実のシチュエーションとしては想定しがたい、こうした裸体表現の数々。なぜこれらの人物は裸体なのか?同じ裸体画でも、絶賛された作品と轟々たる非難を浴びた作品と、何がどう違うのか?そんな西洋美術の根幹をなす裸体表現を、古代ギリシアから近現代まで俯瞰するという時間軸の長い内容でしたが、皆さんたいへん興味をもって聞いてくださり、グループ・ディスカッションでも闊達に意見が飛び交いました。受講者の皆々様、西洋美術を見る楽しみ・喜びが深まったでしょうか。これからもぜひ、いろいろな美術に親しみ、味わってくださいね。

小村みち
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