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フランス絵画300年の精華を一望のもとに―プーシキン美術館展へGO! [講師出講]

芸術の秋―あまりに月並みな、でも、この季節になるとつい使ってしまうフレーズ。確かに真夏のギラギラした暑さが一段落すると、いろいろなことにアクティブになりますね。10月23日、シニアCITYカレッジ・アドバンス科の皆さんと「プーシキン美術館展フランス絵画300年」を味わってきました。恒例となった午前レクチャー、午後自由観覧の講座です。あいにくの雨でしたが、皆さん熱心にご参加くださいました。

写真.JPGその名のとおり古典主義からエコール・ド・パリまで、フランス絵画黄金期の作品が一望できて、ロシア貴族やブルジョワたちのフランス愛も感じられる充実のコレクション。まさにフランス絵画史の教科書のよう展覧会で、展示もズバリ時代・様式順に古典主義~ロココ~新古典主義…というオーソドックスな構成。それだけにポイントの絞りどころが悩ましかったのですが、それならばここでひとつ西洋美術の主な時代・様式を学んでしまおう!という欲張りな路線で、17~20世紀の主な様式や芸術運動の概要をお話ししました。こうした時代区分や様式は美術の分類や展示構成の基本となるフレームワークなので、ある程度でも基本をおさえておけば、本展だけでなく今後さまざまな展覧会を見る上で役に立ちます。果たしてフランス絵画300年の歩みを2時間で駆け巡るのは相当の力技でしたが、皆さんよくついてきてくださり、午後の観覧も楽しんでいただけたようでした。

今回の出展作品では、19世紀以降、特に自然主義や印象派以降は日本の美術館に所蔵されていることも多く、比較的慣れ親しんでいるけれども、17~18世紀の古典主義やロココあたりになると馴染みがないという方が多かったようです。ヨーロッパではルネサンスやバロックと並ぶボリュームゾーンですが、日本では19世紀以降の絵画に比べて実見する機会があまりありません。そうした時代の作品をまとまってみることができたのは、美術好きの方にとっても新鮮で、改めて西洋絵画の豊かな水脈を感じる機会となったようです。

この講座の主な受講者層はいわゆる前期高齢者の方々ですが、毎回思うことは皆さん本当に意欲的だということ。芸術についても見て楽しむだけでなく、知りたいという知的欲求が高く、食い入るように話を聴いてくださる方も多いのです。話す側としても喜びとやりがいを感じる場面です。知的刺激に対して開かれた姿勢や真摯な学びへの意欲は、心身に喜びと活力をもたらし、精神をいきいきとさせる一助となるはず。ささやかならがそのお手伝いができれば本望です。生涯学び続けることの大切さを実感した一日でもありました。ありがとうございました。

小村みち

[アート]プーシキン美術館展―フランス絵画300年
神戸市立博物館で2013年12月8日まで開催中
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