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20世紀美術に挑戦!―カンディンスキー展鑑賞とワークショップ [講師出講]

少々日を遡りますが、6月1日&22日、シニアCITYカレッジの美術講座(NPO法人シニア自然大学校主催)に出講しました。毎年1~2回さまざまな美術についてお話しする機会をいただいており、いつも大変熱心な受講生の皆さんに触発されることしきりです。

これまでは、宗教画や歴史画など伝統的な美術を取り上げてきましたが、今回は受講2年目のアドバンスコース対象なので、あえて比較的なじみが薄いであろうと20世紀美術を取り上げることにしました。また、2回のうち1回は美術館見学をということだったので、ちょうど兵庫県立美術館でカンディンスキーと青騎士展が開かれていたこともあり、抽象絵画を中心に20世紀初頭の前衛美術にスポットを当てました。

ロシア出身のワシリー・カンディンスキー(1866-1944)は、抽象絵画の父として知られています。抽象画というのは、今でも多くの人にとって「とっつきにくい」絵画の一つではないでしょうか。何を描いてあるのか?何を考えて描いたのか?何を感じればいいのか?アタマの中にいくつもの「?」が駆けめぐり、どう反応したらいいかわからず、途方に暮れてしまう…「美しい」のかどうかもよくわからない…

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けれど、20世紀になって、絵画が抽象にたどりついたのには、それなりの経緯や必然性があるはずです。それを知ることで、抽象への目もぐっと開かれるでしょう。そういう意味で、此度のカンディンスキー展は、抽象が生まれるプロセスや芸術家たちをとりまくダイナミズムの軌跡、当時の美術界の動向などがたどれる、非常に興味深い展覧会でした。

6月1日は、午前中、展覧会の見どころをレクチャーしたあと、午後は各自、自由に観覧してもらいました。22日は、午前のレクチャーでカンディンスキー展をおさらいしつつ、時間軸を広げて抽象絵画の水脈をさぐり、午後のワークショップでは“自分流”抽象絵画に挑戦しました。

アートセラピーの手法を取り入れた、上手下手無用のグル―プワークは大変好評で、参加者の皆さんの笑いさざめきが広い室内に響き渡り、ファシリテートしていた私まで楽しくなってしまいました。受講者は年配の方が多いので、クレヨンやクレパスを使ったアートワークの反応はどうだろう…と、内心少々不安でしたが、そんな不安もどこ吹く風で、各グループみるみる盛り上がり、ちょっとしたパーティさながらでした。

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手と口をせっせと動かしながら、みんなでワイワイ楽しそうな光景を見て、ふと「キルトパーティ」のことが頭に浮かびました。アメリカ開拓時代、女性たちが集まっておしゃべりに興じながら、大きなパッチワーク・キルトを仕上げる、あのキルトパーティです。大人でも子どもでも、手を動かしていると自然と話も弾みますし、アートワークならば、描いたモチーフをネタにしていろいろと会話が発展していきます。老若男女問わず、こんなふうにアートしながらコミュニケーションもできる場があれば、脳も心も活性化するだろうな、と思った次第。コミュニティの中にそのような場をつくれないか、考え始めているところです。

CITYカレッジの皆様、ありがとうございました。来年もまたお会いしましょう。

副理事長 小村みち
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